松ちゃん：

岡本先生、こんにちは！本日は宜しくお願い致します。

岡本先生：

おー、松ちゃん、来たね！

松ちゃん：

早速今回のL-2を着ていただいていますね！

松ちゃん：

さすが先生！抜群の着こなしですね。それではいろいろとお話を伺わせてください。
今回のL-2も大変魅力的な仕上がりで、既に店頭で多くのお客様に喜んでいただいています。

岡本先生：

喜んでくれてワシも嬉しいよ。

松ちゃん：

今回はL-2をテストサンプル仕様で作られたモデルですが、まずはテストサンプルという物が何なのかについてお伺いします。

岡本先生：

テストサンプルというのはね、単純に言うと試作型ということなんだよ。1940年代後半に第二次世界大戦で戦勝国となったアメリカは、空軍力の有効性に注目し航空機とフライトジャケットの様々な可能性を模索しながら開発・開発・開発！を続けていた時代だったんだよ。その過程で様々なテストサンプルが生み出されたんだ。

松ちゃん：

正式採用のミルスペックとは違う仕様ということなんですね。
そこでこれまでヴィンテージに精通する岡本先生だからこそ出会うことが出来たレアなテストサンプルはありますか？

岡本先生：

昔ね、ヴィンテージミリタリーショップ「LAZY CAT」のオーナー梅澤さんが持っていたL-2に出会ったんだ。

岡本先生：

凄いでしょ！素材は今回のL-2と同じ綿素材。両胸には革製の三角タブが付いてB-15Aみたいでしょ。その当時までの様々なフライトジャケットのディティールをミックスしたようなデザインなんだ。これもL-2が出来上がるまでの1つの選択肢だったんだね。

松ちゃん：

なるほどー、これは間違いなく激レアですね！次にカスタムについてお伺いします。
今回のカスタムモチーフはF-86Eセイバーに描かれていたマリリンモンローが背中に配置されたデザインですね。
そして岡本先生描き下ろしという事で大変注目されていますが、元の絵と違いバストトップ部を「CENSORED(検閲)」の文字で隠されていますが、どうしてこの様なデザインにされたのでしょうか？

岡本先生：

当時のウォーアートは基本的に自由そのもので、バストトップまで描かれたセクシーな物も多かったんだよ。だけど今回はこのジャケットを着用していたパイロットの上官がかなり厳しかったというストーリーで作画したの。だから一番大事な所に検閲印が押されたデザインなんだ。

松ちゃん：

なるほどー、実際に現代で着るにしてもセクシー過ぎない方が着やすいとの声は多いです。ちなみに作画にあたっての拘りなどありましたらお聞かせいただけますか？

岡本先生：

ん？普通に描いただけだよ。見たように描けばいい。

松ちゃん：

はぁ、さすが！岡本先生ならではですね。
ちなみに私は戦闘機にあまり詳しくないのですが、F-86Eセイバーは有名な戦闘機なんですか？

岡本先生：

モチロンだよ松ちゃん。ワシが小さい頃はセイバーの話題ばっかりだったよ。雑誌とかマンガとかでね。
ジェット機らしいコンパクトなフォルムがなんともカッコいいんだ。

松ちゃん：

勉強になります。その他にこの商品に対する拘りなどございますか？

岡本先生：

そうだねー、この商品に限らないんだけど、うちのファスナーに関して知ってもらいたいね。
うちの商品によく使われているTALONファスナーはTALON社から正式にライセンスを取得しているうちだけのオリジナルファスナーなんだ。他とはちょっと違うよ。当時のミルスペックどおりに作成しているから最初は少し硬さがあるけど、何回も上げ下げしているとスムーズに動く作りになっている。3年前にTALON社の人が来てうちのファスナーを見てもらってね、良く出来ているって評価してもらったよ。なんせ日本の職人さんに作ってもらっているからね！

松ちゃん：

おー！ファスナーに関しても拘りが！！

岡本先生：

そうなんだよ。実はね、元々はワシがTALONの日本国内の商標権を持っていたんだ。それをTALON社からライセンスの権利を渡してほしいと頼まれてね。ワシとしても昔の本物に拘りたかったから、ライセンスを無償で渡す代わりにうちがやっている昔の時代のTALONファスナーの生産を続ける権利を承認するという紳士協定を結んだんだよ。

松ちゃん：

まさかそんなエピソードがあったとは。
本日は第一回ながら長年物作りに携わる先生ならではのお話ありがとうございました。
大変勉強になりました。次回もまたいろいろなお話をお聞かせください。

岡本先生：

少しはお役に立てたようで、こちらこそありがとう。
次回も楽しみにしているよ。松ちゃん！